高専卒で起業した人の事例と成功の秘訣

就職・キャリア

高専卒のキャリア事例4選【王道就職から戦略的起業まで】

「高専を出た後、みんなどんな人生を歩んでいるの?」
高専卒業生の進路は、大手企業への就職だけではありません。自分の技術で世界を変える起業家もいれば、緻密な計算の末に独立する戦略家もいます。ここでは、多くの高専生が歩む「2つの王道パターン」と、論理的思考を極めた先にある「2つの起業パターン」の実例を徹底解説します。

1. 事例A:学校推薦で大手メーカーへ(王道・安定型)

「20歳で上場企業の正社員」という最強の切符

高専生の約6割が選ぶ、最もポピュラーで成功率の高いルートです。

高専本科 卒業
機械工学科卒。成績は中位〜上位。
大手輸送機器メーカーへ就職(学校推薦)
倍率の高い自由応募を避け、学校推薦枠を使ってスムーズに入社。
生産技術職として活躍
大卒社員より2歳若いが、CADや実習経験が豊富なため即戦力扱い。「現場と設計の橋渡し役」として重宝される。
海外拠点でのライン立ち上げ(現在)
実力が認められ、若くして海外工場の立ち上げメンバーに抜擢。年収も同年代の大卒を上回る。
このルートの強み:
「学校推薦」を最大限活用し、ローリスクでハイリターン(安定と高年収)を得られます。現場に強い高専生の特性が最も評価されるキャリアです。

2. 事例B:大学編入からR&D職へ(専門特化型)

「高専の実験力 × 大学の理論」で研究職を勝ち取る

より深い専門性を求め、大学へ編入してから就職するルートです。

高専本科 卒業
物質工学科卒。研究が好きでもっと学びたいと考える。
国立大学 3年次編入 → 大学院進学(修士)
大学受験(共通テスト)を経ずに、編入試験で難関国立大へ。そのまま大学院まで進み、修士号を取得。
化学メーカーの研究開発職へ就職
就活では「高専時代からの長い研究歴」と「実験の手際の良さ」が評価され、内部生よりも有利に内定を獲得。
新素材開発のプロジェクトリーダー(現在)
博士号取得も視野に入れながら、最先端の研究に従事。
このルートの強み:
高専卒(準学士)では就くのが難しい「研究職」や「開発職」への扉が開きます。「学歴ロンダリング」と揶揄されることもありますが、実態は「最強のハイブリッド人材」です。

3. 事例C:学生発・技術ドリブン型(IT/Web起業)

プロコン/ロボコンの延長線上で勝負する

高専在学中から高いプログラミング能力を持ち、それを武器にそのまま社会へ飛び出すパターンです。

高専在学中
プロコンで入賞。在学中からクラウドソーシングや受託開発で小遣い稼ぎをする。
卒業後すぐ(or 専攻科中)に起業
就職活動はせず、自分の技術力でサービス(アプリやSaaS)を開発・リリース。
VCから資金調達・拡大
技術への解像度が高いため、エンジニア採用やプロダクト改善(PDCA)が爆速。
このルートの強み:
「自分で作れる」ため、初期費用(外注費)がほぼゼロで済むのが最大のアドバンテージです。高専生の技術力がそのまま資本金代わりになります。

4. 事例D:戦略的キャリアビルディングからの起業

すべては計算通り。「インプット」から「アウトプット」へ

最後は、高専生特有の「論理的思考」をキャリア形成に応用し、満を持して起業した先輩の事例です。行き当たりばったりではなく、必要なスキルを順番に回収していくRPGのような生き方です。

① 高専本科 卒業
【インプット】工学・ものづくりの基礎を習得。
② 広島大学 教育学部へ編入
【インプット】なぜ工学部ではなく教育か?
→「複数人でプロジェクトを遂行する力」と「人に伝える表現力」を身につけ、一人の技術者以上の成果を出すため。
③ 地元の製造業(中小)へ就職
【インプット】設計開発部に配属。図面作成・装置開発・製作・動作調整まで、現場の実務を泥臭く叩き込む。
④ 地元の大手製造業へ転職
【インプット】規模の大きい仕事(省人化案→稟議→開発→納品→入金)を経験。「ものづくりの流れ」に加え、「企業がお金を払う仕組み」を修得。
⑤ 友人と共同創業
【インプット】トップではなくNo.2として参画。経営・経理・総務・税務・人事など、会社を回すためのバックオフィス業務を実地で修得。
⑥ 自身の会社を起業(現在)
【アウトプット】「ものづくりノウハウ」+「会社経営ノウハウ」が全て揃った状態で独立。これまでインプットしてきた経験を、社会へアウトプットし始める。
成功のロジック
この事例の凄さは、すべてのキャリア選択に「理由(目的)」があることです。
「なんとなく就職」するのではなく、「将来のビジョン(起業)から逆算して、今の自分に足りないスキル(教育・大手の仕組み・経理)を埋めるために就職先を選んだ」という点に、高専生らしい論理的思考が光っています。

5. まとめ:高専卒起業家が持つ「論理的思考」とは

成功している高専卒の起業家やキャリアパーソンには、共通する思考回路(ロジック)があります。それは、高専の実験や研究で培ったプロセスそのものです。

① 自分の現在地を知る(現状分析)

「今、自分には何があるか?何が足りないか?」を冷徹に分析できる力です。事例Dの先輩のように、「技術はあるが、伝える力がない」と気づき、あえて教育学部を選ぶような客観的な判断力が成功の鍵です。

② 技術を「目的」ではなく「手段」とする

多くのエンジニアは「技術そのもの」を目的化しがちです。しかし、成功する高専生は「この技術を使えば、この課題をコスト1/10で解決できる」というビジネス視点を持っています。技術はあくまでツールであり、ゴールは「価値の創出」であることを理解しています。

③ ストーリーを描き、インプットし続ける

点と点を線にする力です。今の仕事が辛くても、「これは将来の起業に必要な『経理スキル』のインプット期間だ」と定義できれば、迷いは消えます。この「人生の設計図(青写真)」を描けるかどうかが、ただの技術者で終わるか、経営者になれるかの分かれ道です。

これからキャリアを歩む皆さんも、ぜひ自分の人生を一つの「プロジェクト」と捉え、論理的にデザインしてみてください。

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