同い年の大卒と同じ仕事をしているのに、給料が違う。昇格も遅い。管理職への道が学歴で分かれている——高専卒なら一度は感じたことがあるはず。この記事では、高専卒と大卒の待遇差の実態を正直に書いた上で、その差を埋める(あるいは逆転する)3つの現実的な方法を紹介します。
① 高専卒と大卒の待遇差は「ある。しかも年々広がる」。これは事実
② ただし差が開くのは「同じ会社に居続けた場合」。転職・資格・異業種移動で逆転は可能
③ 差を埋める最も確実な方法は「学歴ではなくスキルで評価する会社に移る」こと
1. 高専卒 vs 大卒:待遇差の実態データ
まずは現実を直視しましょう。「差がある」とは聞くけど、実際どのくらいなのかを確認します。
| 年齢 | 高専卒(目安) | 大卒(目安) | 差額 | 生涯累計差 |
|---|---|---|---|---|
| 22歳 | 330万 | 350万 | 20万 | 20万 |
| 25歳 | 380万 | 420万 | 40万 | 100万 |
| 30歳 | 450万 | 520万 | 70万 | 350万 |
| 35歳 | 520万 | 620万 | 100万 | 850万 |
| 40歳 | 570万 | 700万 | 130万 | 1,500万 |
| 定年時 | 生涯で約3,000〜5,000万円の差 | |||
※厚労省「賃金構造基本統計調査」をベースにした目安値。企業・業界により大きく異なります。
入社時は月2万円の差。「まあそんなものか」と思えます。でもこれが10年・20年と積み重なると、同じ仕事をしていても生涯で数千万円の差になります。同じ会社にいる限り、差は広がり続けます。
もっと痛いのは「昇格の壁」:
多くの大手メーカーでは、管理職(課長以上)への昇格ルートが「大卒以上」と「高専卒以下」で分かれています。どんなに実績を出しても、人事制度上の学歴フィルターで昇格できないケースがあります。これは個人の努力では変えられない、制度の壁です。
2. なぜ差がつくのか
最初に断言しておきます。これは能力の差ではなく、制度の差です。
日本の大手企業の多くは「職能資格制度」を採用していて、初任給のランクが学歴で決まります。高専卒は「短大卒」と同じ等級からスタートし、大卒は1〜2等級上からスタートします。昇格のスピードも等級ごとに違うため、同じペースで昇給しても差は縮まりません。
20代のうちは「まあ、そこまで気にならないか」と思えます。でも30代になって同期の大卒が先に昇格していくのを目の当たりにすると、じわじわと効いてきます。結婚や住宅購入のタイミングで「あと100万あれば…」と思ったとき、学歴の差を痛感する人が多いです。
「能力は同じなのに」が一番つらい
高専で5年間、座学も実験も実習もやって、大卒より2年早く社会に出て、現場で実績を積んできた。それなのに制度上の等級が低い。場合によっては、2年後に入ってきた大卒の後輩の方が先に昇格します。
これは「あなたがダメだから」ではない:
この構造に怒りや不満を感じるのは当然のことです。問題は「怒りをエネルギーに変えて動くかどうか」。次のセクションから、具体的な「動き方」を3つ紹介します。
3. 差を埋める方法①:学歴不問の会社に転職する
最も確実で、最も効果が大きい方法です。「学歴で評価する会社」から「スキルで評価する会社」に移ることこそが最善の選択になります。
| 項目 | 学歴で評価する会社 | スキルで評価する会社 |
|---|---|---|
| 初任給 | 学歴で等級が決まる | スキル・経験で決まる |
| 昇格 | 学歴で昇格ルートが分岐 | 実績ベース(学歴不問) |
| 年収交渉 | テーブルで決まっている | 交渉で上げられる |
| 典型的な業界 | 大手メーカー・インフラ | IT・外資系・スタートアップ・FA系 |
「学歴不問」で高専卒を高く評価する業界
- IT・Web系:コードが書ければ学歴は関係ありません。サイバーエージェント、楽天など。
- FA・産業用ロボット:高専卒のPLC・制御スキルを最も正当に評価する業界です。ファナック、安川電機など。
- 半導体装置:技術者不足で学歴より経験を重視しています。年収テーブルも高い傾向にあります。
- 外資系メーカー:日系企業ほど学歴を気にしない実力主義の文化があります。
前の会社では大卒の同期が先に係長になった。仕事の実績は自分の方が上だったけど、人事制度上しょうがないと言われた。転職先では「学歴は見ません、何ができるかだけです」と面接で言われて、実際に入社後も学歴の話は一度も出ない。年収も80万上がった。
4. 差を埋める方法②:資格で社内の評価テーブルを上げる
「転職はまだ考えていない」という人でも、今の会社で差を縮める方法があります。大手メーカーの中には「特定の資格を取ると等級が上がる」制度を設けている企業があります。
| 資格 | 効果 | 難易度 |
|---|---|---|
| 技術士(機械・電気・情報) | 「大卒以上」の壁を超えられる企業もある。高専卒キャリアの最強資格 | 高(合格率10〜15%) |
| 電験三種 | 電気系なら社内評価が大幅UP。転職にも強い | 中〜高 |
| エネルギー管理士 | 省エネ関連で重宝。工場系企業で評価高い | 中 |
| 基本情報技術者・応用情報 | IT転職の入口。製造業でもDX推進で評価される | 低〜中 |
「技術士」は学歴の壁を越える切り札:
技術士の資格を持っていると、企業によっては「大卒と同等以上」の評価テーブルに移行できます。取得は簡単ではありませんが、高専の専門教育を受けていれば基礎知識は十分にあります。
資格手当で年収を上げる
昇格の壁は変えられなくても、資格手当で月1〜3万円(年12〜36万円)の上乗せができる会社は多いです。電験三種で月1万円、技術士で月3万円——地味だけど、10年続けば数百万円の差になります。
5. 差を埋める方法③:異業種に移って年収テーブルごと変える
同じ「設備保全」でも、自動車部品メーカー(年収400万)と半導体装置メーカー(年収550万)では150万の差があります。これは学歴の差ではなく業界の利益率の差です。
| 今の業界 | 移る先 | 年収変化の目安 |
|---|---|---|
| 自動車部品(380〜450万) | 半導体装置 | +100〜200万 |
| 食品メーカー(350〜420万) | 医療機器 | +80〜150万 |
| 中小メーカー(320〜400万) | IT・Web | +100〜250万 |
| 建設(400〜500万) | データセンター保守 | +50〜100万 |
大卒との差を埋めるのに「大卒になる」必要はありません。「大卒の平均年収より高い年収がもらえる業界に行く」ことこそが最短ルートです。
前の会社の年収は390万。「高専卒だからこんなものか」と思ってた。転職エージェントに「あなたのPLC+計装の経験なら550万は狙えます」と言われて半信半疑で活動したら、本当に540万で内定が出た。同年代の大卒の平均年収を超えた。学歴じゃなくて、どこで働くかの方がよっぽど大事だった。
6. 先輩たちの本音
高専卒で社会に出て、待遇差やキャリアについて悩んできた先輩OBの本音を紹介します。
正直、学歴コンプはまだある。同期の大卒が先に主任になったときは悔しかった。でも「同じ会社にいる限り、この制度は変わらない」と気づいてからは気持ちが楽になった。今は転職に向けて電験三種の勉強をしている。学歴は変えられないけど、自分の市場価値は変えられる。
前の会社では「高専卒のくせに」と面と向かって言われたことがある。転職した今の会社では、学歴の話が一切出ない。GitHubのコミット数と、プロダクトへの貢献度だけで評価される。世の中にはこういう会社もあるんだなと思った。年収も100万上がって、精神的にも楽になった。
最初の会社では「高専卒は係長まで」と暗黙のルールがあった。転職先では入社3年で課長に昇格。学歴じゃなくて「この人に任せて大丈夫か」で判断してくれる会社を選んだのが正解だった。年収も前職の1.4倍になった。
7. まとめ
① 高専卒と大卒の待遇差は実在する。生涯で3,000〜5,000万円の差になることもある
② ただしこの差は「同じ会社に居続けた場合」の話。転職すればリセットできる
③ 最も効果的なのは「スキルで評価する会社」に移ること。IT・FA・半導体が狙い目
④ 転職しない場合は「技術士」「電験三種」などの資格で社内評価テーブルを上げる
⑤ 学歴は変えられない。でも自分の市場価値は、今日から変えられる
「高専卒だから」を言い訳にするのは簡単だけど、それでは何も変わりません。同じ高専卒で年収700万を稼いでいる人もいれば、管理職になっている人もいます。違いは「学歴」ではなく「どの環境を選んだか」です。あなたのスキルは、今いる会社が思っている以上に、他の業界では高く評価されているかもしれません。
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