高専卒の転職は不利?先輩OBの本音と、後悔しない転職の進め方

「高専卒って、転職できるの?」——この不安を持っている人は多い。学校推薦で入社して、ガチの就活を経験していない。学歴は大卒より下に見られる。自分のスキルが他で通用するか分からない。不安の種はいくらでもある。でも結論から言うと、高専卒は転職市場でかなり有利な存在です。この記事では、実際に転職した高専卒の先輩たちの声をもとに、転職の現実と具体的な進め方をまとめました。

📌 この記事のポイントを先に3行で

① 高専卒は「転職できない」どころか、技術者不足の今、むしろ転職市場で引く手あまた。問題は「できない」ではなく「やり方を知らない」こと。

② 新卒のときは学校推薦という最強カードがあったけど、転職では自分で求人を探して、自分で選考を突破する必要がある。ここが最大のハードル。

③ 高専卒の武器は「5年間の専門教育」+「大卒より2年早いキャリア」。同年齢の大卒より実務経験が長いのは、転職市場では大きなアドバンテージ。

📋 この記事の目次

  1. 「高専卒は転職できない」が嘘である3つの理由
  2. 高専卒が転職を考えるきっかけ(4パターン)
  3. 転職で有利に働く「高専卒ならではの強み」
  4. 高専卒の転職先として人気の業界
  5. 転職活動の具体的な進め方(5ステップ)
  6. まとめ:転職は「逃げ」じゃない

1.「高専卒は転職できない」が嘘である3つの理由

まず、この不安を解消しておきます。「高専卒だから転職できない」は完全な誤解です。

理由①:中途採用は「学歴」より「実務経験」で評価される

新卒採用では「大卒以上」のフィルターがかかることが多いけど、中途採用は話が違う。企業が知りたいのは「この人は入社後すぐに戦力になるか?」の一点。高専で5年間の専門教育を受けて、大卒より2年早く現場に出ている高専卒は、同年齢の大卒よりも実務経験が長い。これは転職市場では明確な武器になる。

理由②:どの業界でも技術者が足りていない

製造業・IT・インフラ・建設——あらゆる業界で「エンジニアが採れない」が経営課題になっている。特にベテラン技術者の退職が進む中、高専卒のような「若くて即戦力になる技術者」への需要は過去最高レベル。転職エージェントも「高専卒」を専門に扱うサービスが増えてきている。

理由③:実際に転職して年収を上げている先輩が大勢いる

「高専卒で転職した人なんて周りにいない」と思うかもしれないけど、それは単に目に見えていないだけ。転職して年収が100〜200万円上がった先輩、大企業から成長中のスタートアップに移った先輩、メーカーからITに転身した先輩——事例は山ほどある。

機械系 → 大手メーカーから半導体装置メーカーへ転職(入社5年目)

新卒で入った会社は悪くなかったけど、仕事が保全ばかりで設計をやらせてもらえなかった。転職エージェントに相談したら「高専卒で5年の現場経験があれば引く手あまたですよ」と言われて驚きました。3社受けて2社から内定。年収は80万円上がりました。学歴のことは一度も聞かれなかった。

2. 高専卒が転職を考えるきっかけ(4パターン)

1
最も多いパターン
「やりたい仕事をやらせてもらえない」

設計をやりたくて入ったのに、配属されたのは保全。開発がしたかったのに、品質管理に回された。——高専卒が転職を考える一番多い理由がこれ。学校推薦で入社すると「配属先の希望」が通りにくい場合があり、数年経っても異動が見込めないと「ここにいて自分は成長できるのか?」という焦りが出てくる。

このパターンの人がやるべきこと

まず社内での異動の可能性を確認する(上司・人事に相談)。それでも動けない場合は、「やりたい仕事ができる会社」を軸に転職先を探す。同業他社への転職なら、今の経験がそのまま活きる。

2
じわじわ効いてくる
「大卒との待遇差が気になり始めた」

入社直後は気にならなかった「高専卒と大卒の初任給差」が、年次が上がるにつれて拡大していく。同じ仕事をしているのに昇格スピードが違う、管理職への道が学歴で分かれている——そんな現実に直面して「これがあと30年続くのか」と考えたとき、転職という選択肢が浮かぶ。

このパターンの人がやるべきこと

「実力主義で評価する会社」に移るのが最も効果的。IT企業やスタートアップ、外資系メーカーなど、学歴よりスキルで給与が決まる会社は増えている。転職で年収が100万円以上上がるケースは珍しくない。

3
環境に起因する
「転勤・夜勤・人間関係がきつい」

大手メーカーやインフラ企業では、工場が地方にあるため転勤が避けられないことがある。交代勤務や夜勤もある。また、閉鎖的な職場環境で人間関係に悩むケースも。仕事自体は嫌いじゃないけど、「この働き方を続けるのは無理だ」と感じて転職を考える人は多い。

このパターンの人がやるべきこと

仕事内容ではなく「働き方」で会社を選び直す。同じ技術職でも、リモートワーク可・転勤なし・日勤のみ、という会社は探せば見つかる。IT系への転身はその典型例。

4
前向きな動機
「もっと成長できる環境に行きたい」

今の会社に不満はないけど、「もっと技術力を磨きたい」「新しい分野に挑戦したい」「スタートアップで裁量の大きい仕事がしたい」——こういうポジティブな理由の転職は、実は一番成功率が高い。不満からの転職より、「〇〇がしたい」という明確な目的がある転職の方が、面接でも強い。

このパターンの人がやるべきこと

「今の会社でできないこと」と「次の会社でやりたいこと」を具体的に言語化する。面接で「なぜ転職するのか」を前向きに説明できる準備をしてから動く。

3. 転職で有利に働く「高専卒ならではの強み」

「高専卒は学歴が低いから不利」と思い込んでいる人が多いけど、転職市場で見ると高専卒には大卒にない武器がいくつもある

強み なぜ転職で有利か
同年齢の大卒より実務経験が2年長い 25歳の高専卒は実務経験5年。25歳の大卒は実務経験3年。中途採用で「即戦力」を評価する企業にとって、この2年は大きい
理論と実践の両方ができる 高専は座学だけでなく実験・実習が多い。「設計も分かるし、手も動かせる」技術者は現場で重宝される
若いうちから「プロジェクト経験」がある 卒業研究・ロボコン・プロコンなど、チームで成果物を作った経験を20歳で持っている。これはポートフォリオになる
技術者不足の恩恵を受けやすい 製造業・IT・インフラすべてで技術者が不足している。「高専卒」というブランド自体が、技術力の証明になる
📌 ここがポイント:転職面接で「高専卒です」と言ったとき、面接官が思い浮かべるのは「学歴が低い」ではなく「若いのに実務経験が長い」「手を動かせる」というイメージ。特に製造業の採用担当者は高専の価値をよく知っている。むしろ「高専卒の方が欲しい」という企業すらある。

4. 高専卒の転職先として人気の業界

高専卒が転職で年収アップ・キャリアアップを実現しやすい業界を紹介します。

① 半導体・半導体装置メーカー

今もっとも勢いのある業界。世界的な半導体需要の拡大で、エンジニアの採用を急いでいる企業が多い。高専卒の機械系・電気系のスキルは直結する。年収も高め。

代表企業:キーエンス村田製作所信越化学工業、東京エレクトロン、ディスコ

② IT・ソフトウェア

メーカーからITへの転身は、高専卒の転職先として急増中。情報系だけでなく、機械系・電気系出身でも「組み込み開発」「制御ソフト」「PLCプログラミング」のスキルがあればIT企業で重宝される。リモートワークや服装自由など、メーカーとは違う働き方ができるのも魅力。

代表企業:サイバーエージェント楽天グループ富士通LINEヤフー

③ 同業他社への転職(メーカー→メーカー)

一番リスクが低く、年収も上がりやすいのがこのパターン。今の会社で身につけたスキルがそのまま活きるので、面接でも「即戦力」をアピールしやすい。「仕事は好きだけど会社が合わない」というケースに最適。

代表企業:トヨタ自動車日立製作所デンソーダイキン工業ファナック

④ スタートアップ・ベンチャー

「大企業は自分に合わなかった」という高専卒に人気が出てきている選択肢。少人数のチームで裁量が大きく、設計から試作、量産まで一人で担当することも。大企業では数年かかるキャリアを1〜2年で経験できる反面、安定性は低い。

電気系 → 大手インフラ企業からITスタートアップへ転職(入社7年目)

7年間ずっと設備保全でした。仕事は安定しているけど、毎日同じことの繰り返しで成長している実感がなかった。思い切ってIoT系のスタートアップに転職したら、ハードもソフトも全部やらなきゃいけなくて大変だけど、高専時代のワクワク感が戻ってきた感じ。年収は少し下がったけど、ストックオプションもあるし、何より毎日が楽しい。

5. 転職活動の具体的な進め方(5ステップ)

高専卒の多くは、新卒のときに学校推薦で就職しているから「自分で求人を探して、自分で選考を突破する」経験がない。これが転職への心理的ハードルになっている。でも、やること自体はシンプル。以下の5ステップで進めればOK。

1

「なぜ転職するのか」を言語化する

面接で100%聞かれる質問。「今の会社が嫌だから」ではなく、「○○がしたいから」というポジティブな理由に変換しておく。「保全から設計に移りたい」「実力で評価される環境で働きたい」など。

2

キャリアの棚卸しをする

今の会社で何をやってきたかを書き出す。「使える設備」「担当した工程」「改善した実績」「使えるソフト・言語」をリスト化。高専時代の卒業研究やロボコン経験も立派なスキル。

3

転職エージェントに登録する(在職中に)

辞めてから探すのではなく、今の会社で働きながら転職活動するのが鉄則。転職エージェント(doda・マイナビエージェント・リクルートエージェント等)に登録すれば、自分の市場価値が分かるし、求人も紹介してもらえる。「高専卒専門」のエージェントも出てきている。

4

口コミサイトで候補企業の「中身」を確認する

新卒のときに「中身を調べずに推薦を出して後悔した」人ほど、転職では同じ失敗をしたくないはず。高専バリューの口コミで「高専卒がどう評価されているか」「職場の雰囲気はどうか」を事前に確認する。面接でも「口コミを読んで○○が気になりました」と言えると、企業研究をしている証拠になる。

5

面接対策をして、選考に臨む

中途面接で聞かれるのは「転職理由」「今の仕事内容」「志望動機」「希望年収」の4つが中心。高専卒なら「5年間の専門教育」「大卒より長い実務経験」を武器に、「技術者としての即戦力性」をアピールする。

⚠️ 転職で注意すべきこと
「とにかく今の会社を辞めたい」という気持ちが先行すると、次の会社でも同じ不満を抱えることがある。「何が嫌か」より「何がしたいか」を基準に選ぶこと。また、最低3年は今の会社で働いてからの方が、転職市場での評価は高い。1〜2年で辞めると「すぐ辞める人」と見られるリスクがある。

6. まとめ:転職は「逃げ」じゃない

この記事のポイント

① 高専卒は転職できないどころか、技術者不足の今、転職市場で有利な存在

② 学歴ではなく「何ができるか」「何をしてきたか」で評価される。大卒より2年長い実務経験は武器。

③ 転職活動は在職中に始めるのが鉄則。転職エージェントに登録するだけで、自分の市場価値が分かる。

④ 新卒のときと同じ失敗をしないために、口コミで企業の「中身」を確認してから応募する

⑤ 転職は逃げじゃない。「自分のキャリアを自分で選び直す」という、前向きな意思決定。

高専卒の就活は学校推薦があるから楽だった。でもそのぶん、「本当に自分に合う会社かどうか」を十分に考えないまま入社してしまった人も少なくない。転職は、そのときの自分にはできなかった「会社を選び直す」チャンスです。今の会社で身につけたスキルと、高専で鍛えた技術力を武器に、自分らしいキャリアを描いてください。

制御系 → 大手メーカーからWeb系企業へ転職(入社4年目)

「高専卒で転職なんて…」と思っていたけど、エージェントに相談したら「あなたのスキルセットなら選び放題ですよ」と言われて拍子抜けしました。転職して一番変わったのは、学歴の話が一切出ないこと。前の会社では常に「高専卒か大卒か」が意識されていたけど、今の会社は完全にスキルベース。「何を作れるか」だけで評価される環境って、こんなに気持ちいいんだなと思いました。

転職前に、企業の「高専卒の扱い」を口コミで確認しよう

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