求人倍率20倍超。選びたい放題のはずなのに、「多すぎて決められない」のが高専生あるある。
CMで名前を知っている会社だけが良い会社とは限らないし、逆に聞いたことのない会社が実はホワイトだったりする。このページでは、高専バリューに届いた先輩たちの口コミをもとに、実際に人気のある就職先を業界別にまとめました。「名前は知ってるけど中身はよく分からない」を、先輩の本音で解消します。
1. 就職先を選ぶ前に、2つだけ知っておいてほしいこと
高専生の就職先選びで一番もったいないのは、「テレビCMで見たことがある会社」だけに絞ってしまうこと。CMを打っている会社は消費者向け(BtoC)の商品を売っている企業が多いけど、高専卒が活躍する現場は企業向け(BtoB)の製品を作っているメーカーに山ほどある。
たとえばファナック。名前を知らない高専生も多いけど、産業用ロボットで世界トップシェア、平均年収は1,200万円超。キーエンスもセンサーや計測機器のBtoB企業で、給与水準は日本トップクラス。こういう会社は「知名度は低いけど中身は最強」の典型。
学校推薦は1社しか出せない上に、内定をもらったら辞退できない。「名前がかっこいいから」で推薦を出して、入社後に「思ってたのと違う…」となるのが一番つらいパターン。推薦を出す前に、OB訪問・インターン・口コミの最低1つで実際の仕事内容を確認しておこう。
正直、最初は「名前を知ってる大手」しか見てなかった。でもOB訪問で聞いた中堅メーカーの方が、仕事の裁量も給料も全然良くて驚いた。あのとき視野を広げていなかったら後悔してたと思います。
2. 業界別 人気就職先ランキング
高専バリューの口コミデータから、先輩たちが実際に選んでいる業界と代表的な企業をまとめました。各企業名をタップすると、先輩の口コミが読めます。
高専生の就職先として不動の人気を誇るのがインフラ業界。「安定性」「福利厚生」「地元で働ける」の三拍子が揃っていて、特に地方の高専生にとっては最有力候補になることが多い。
| 代表的な企業 | 関西電力、 中部電力、 九州電力、 北海道電力、 JR西日本、 JR東日本、 大阪ガス、 Jパワー |
|---|---|
| 向いている人 | 「地元で長く働きたい」「安定した生活基盤がほしい」という人。設備の保守・点検・管理が中心なので、コツコツ型の人に向いている |
| 知っておくべきこと | 夜勤・当直がある職場も多い。転勤は管轄エリア内に限られることが多いが、昇進すると本社勤務になるケースも |
正直、仕事自体は地味です。毎日同じ設備を見回ったり、点検したり。でも「この送電線が止まったら街が真っ暗になる」という責任感は半端ない。福利厚生はめちゃくちゃ手厚いし、有給も取りやすい。地元に残りたい人には最高の選択肢だと思います。
「高専=ものづくり」のイメージ通り、メーカーは高専生の王道就職先。特に自動車業界はトヨタを筆頭に、部品メーカーまで含めると裾野が広く、機械系・電気系・情報系どの学科からも就職できる。
| 自動車系 | トヨタ自動車、 デンソー、 アイシン、 スズキ、 川崎重工業 |
|---|---|
| 電機・精密 | 日立製作所、 三菱電機、 ソニー、 パナソニック、 キヤノン、 ニコン |
| 機械・FA | ファナック、 小松製作所、 安川電機、 ダイキン工業、 クボタ、 タダノ |
| 向いている人 | 「自分が関わった製品が世の中に出回る」のがモチベーションになる人。設計・生産技術・品質管理・研究開発など職種の幅が広い |
入社して驚いたのは、高専卒の先輩がめちゃくちゃ多いこと。大卒との差を感じる場面は正直ほとんどない。生産技術の現場では「手を動かせる高専卒」の方がむしろ重宝される。ただ、工場は地方にあることが多いので、都会に住みたい人は配属先を要チェック。
情報系はもちろん、電気系・制御系の学生もSE(システムエンジニア)やインフラエンジニアとして採用される。ここ数年で高専卒のIT就職は急増中。リモートワークや服装自由など、メーカーとは違う働き方ができるのも魅力。
| 大手・安定系 | KDDI、NTTデータ、 富士通、 LINEヤフー |
|---|---|
| Web・スタートアップ系 | サイバーエージェント、 楽天グループ、メルカリ |
| 向いている人 | 「新しい技術を学び続けたい」「服装やリモートなど自由な環境で働きたい」人。技術の変化が速いので、学び続ける意欲があるかが問われる |
| 知っておくべきこと | Web系は実力主義が強く、若くても成果を出せば昇給が早い。一方で大手SIerは年功序列寄り。同じIT業界でも会社によって文化が全然違うので、口コミでの事前確認が特に大事 |
知名度は低いけど、利益率が高くて給料も良い。いわゆる「隠れ優良企業」が多い業界。化学系の学生だけでなく、機械系(プラント設備の保全)や電気系(制御)からの就職も多い。
| 代表的な企業 | 信越化学工業、 旭化成、 日東電工、 花王、 出光興産、 ENEOS、 四国化成工業 |
|---|---|
| 向いている人 | 「世の中の製品の”素材”を作る側」に興味がある人。BtoBなので一般の知名度は低いが、業界内では世界シェアトップの会社がゴロゴロある |
シリコンウエハで世界首位。スマホにもPCにも電気自動車にも、この会社の素材が入っている。時価総額は日本の製造業でトップクラスなのに、高専生の間では「名前すら聞いたことがない」人が多い。こういう企業を見逃さないのが、就職先選びのコツ。
建築系・土木系の学科がある高専では、ゼネコン(総合建設会社)が人気。スケールの大きいプロジェクト(高層ビル・橋・トンネル)に関われるのが魅力。施工管理は現場仕事がメインなので、デスクワークが苦手な人に向いている。
| 代表的な企業 | 大成建設、 鹿島建設、大林組、清水建設、 LIXIL |
|---|---|
| 知っておくべきこと | 現場配属だと転勤が多い。プロジェクトが終わるたびに次の現場(別の都市)に移るケースもある。「全国転勤OK」が前提の会社が多いので、地元に残りたい人は確認を |
あまり知られていないけど、高専卒で公務員になる人もいる。市役所の技術職(上下水道・建設・電気設備の管理)や、国土交通省の技官などは高専卒の採用枠がある。推薦ではなく自由応募(公務員試験)での受験が必要。
| 向いている人 | 「地元の街づくりに関わりたい」「安定した公務員として働きたい」人。給料は民間大手より低めだが、転勤が少なく、残業も比較的少ない |
|---|---|
| 受験の注意点 | 公務員試験の勉強が別途必要。教養試験(数学・国語・社会)と専門試験がある。推薦は使えないので、早めの対策が必要 |
3. 高専卒が知っておくべき「隠れホワイト企業」
テレビCMは打たないけど、業界では知らない人がいない。そういう会社が高専卒を熱望している。ここでは具体的な企業名と「なぜホワイトと言われるのか」を紹介する。
| 企業名 | 業界 | なぜホワイトと言われるか |
|---|---|---|
| ファナック | 産業用ロボット | 世界シェア1位。山梨県の本社は広大な敷地に社宅・体育館・テニスコートまで完備。平均年収1,200万超 |
| キーエンス | センサー・計測機器 | 営業利益率50%超。平均年収は2,000万円を超えるとも。ただし激務でも有名なので、口コミを要確認 |
| 信越化学工業 | 半導体素材 | シリコンウエハ世界首位。工場は群馬・新潟・福井など地方に多く、高専生の地元就職先として穴場 |
| 村田製作所 | 電子部品 | コンデンサ世界首位。京都本社。高専生の就職先ランキングで常に上位に入る人気企業 |
| オリエンタルモーター | 精密モーター | ステッピングモーターで国内トップシェア。残業が少なく、有給取得率が高いことで知られる |
| セイコーエプソン | 精密機器 | プリンター・プロジェクター。長野県諏訪に本社があり、自然豊かな環境で働ける |
| 四国計測工業 | 計測機器 | 四国の高専生に人気。ニッチな計測機器分野で高い技術力を持つ。転勤が少ない |
高専バリューの企業口コミランキングでは、「後輩へのおすすめ度」「実力主義」「技術の面白さ」など9つの指標で企業を比較できます。「名前は知らないけど先輩の評価が高い企業」から探すのが、隠れホワイト発見の近道。
4. 人気企業の推薦を勝ち取るために
倍率20倍で「どこかには就職できる」のは事実。でも「第一志望の推薦を勝ち取れるかどうか」は別の話。人気企業の推薦枠は学内選考で決まるので、ちゃんと準備した人が有利になる。
トヨタ・日立・JRなど大手の推薦枠は、学内で希望者が被ったときに席次で決まることが多い。「成績なんて関係ない」と言う人もいるけど、同じ会社を希望するライバルがいたら成績上位者が有利。4年生のうちから少しでも上を狙っておいて損はない。
インターンに行った企業は、面接で「なぜこの会社?」と聞かれたときの説得力が段違い。最近は「インターン参加者は選考優遇」という企業も増えている。4年の夏は、気になる業界のインターンに最低1社は参加しておこう。
推薦でも筆記試験(SPIやWebテスト)を実施する企業がある。ここで足切りに引っかかると、せっかくの推薦が台無しになる。SPI対策本は1冊でいいから、4年のうちに1周しておくと安心。
推薦は1社しか出せない。内定辞退もできない。だからこそ、出す前に「本当にこの会社で働きたいか?」を確認する工程が大事。先輩の口コミを読む、OB訪問で話を聞く、インターンに行く——最低1つはやってから推薦を出そう。
推薦で内定をもらった後に辞退すると、学校と企業の信頼関係が壊れて、翌年からその企業の推薦枠が消えることがある。自分だけの問題じゃなくて、後輩にも迷惑がかかる。「とりあえず推薦出しとこう」は一番やっちゃいけないパターン。
5. まとめ:就職先選びで大事なこと
最後にこの記事のポイントを整理しておきます。
- 知名度だけで選ばない。BtoBの隠れ優良企業にこそ、高専卒が輝ける環境がある
- 業界を2〜3個は比較してみる。メーカーだけ、ITだけ、と絞りすぎると視野が狭くなる
- 口コミ・OB訪問・インターンで「中身」を確認する。名前で選んで入社後に後悔するのが一番つらい
- 推薦は「本気の1社」にだけ使う。辞退NGなので、覚悟ができた企業にのみ
- 成績とSPI対策は、やっておいて損はない。人気企業の推薦枠争いで効いてくる
高専の就活は、準備した人が報われる世界。20倍の売り手市場だからこそ、「どこでもいいや」ではなく「ここに行きたい」と言える状態で推薦を出してほしい。先輩たちの口コミが、その判断材料になれば幸いです。
高専バリューには、262社の企業口コミが集まっています。「この会社の高専卒はどう思っている?」——推薦を出す前に、ぜひ読んでみてください。

